
JAわかやま紀州地域本部の不知火(しらぬい)貯蔵施設(御坊市島)で、低温貯蔵で出荷時期を遅らせる「後期デコポン」の出荷が始まった。
後期デコポンはジューシーで濃厚な甘みとまろやかな酸味、皮が柔らかくむきやすいのが特長。通常のデコポンは収穫後2、3週間の自家貯蔵を経て出荷されるが、後期デコポンは約1、2カ月間にわたり、同施設の低温庫で鮮度を保ちながら熟成させる。貯蔵することで酸味が落ち着くほか、出荷を遅らせることで柑橘が少ない時期に販売でき、通常より2~3割の高値で取引される。
今年は夏の猛暑による日焼けや獣害などにより収穫量は少ないが、甘みが充実した果実に仕上がっている。デコポン出荷量の約5割にあたる45㌧を後期デコポンとして出荷。4月中旬から5月上旬まで大阪中央青果に届けられる。この日は、従業員が貯蔵された果実を一つひとつ丁寧に選別し、箱詰めして出荷に備えていた。
17日には芝光洋JAわかやま副組合長と久留米啓史日高川町長らが大阪中央青果に出向き、後期デコポンをPRする。
日高川営農販売センターの前田優太さん(41)は「今年は県農協として後期デコポンの初出荷になります。手作業で丁寧に選別し、品質管理を徹底しています。今年もおいしく仕上がっているので、ぜひご賞味ください」と話している。
日高地方では印南町のフレッシュマート特産品直売所、日高町のさわやか日高で販売。