大阪・関西万博について、開幕前に開催された「メディアデー」に参加した。閉館中のパビリオンも多かったが、大屋根(リング)の見事な梁材の組み合わせ、各国特有の建築様式を取り入れた海外のパビリオン、大型モニターによる迫力ある映像など、見どころは多かった。夜には水上ショーやドローンショーも行われ、パビリオンのライトアップと相まって昼間とは異なる幻想的な雰囲気が楽しめた。飲食は、4000円近くする高級そばを少し試すことができたが多くの店は営業しておらず残念だった。開幕中は各国の料理を味わえるのだろう。
会場は想像以上に広く、限られた時間で回るのは難しい。大きな目印が少なく、マップもわかりづらいため、効率的に回るには事前に位置関係を把握しておく必要がある。会場内ではすべてがキャッシュレスだったり、スマートフォンを使う場面が多くバッテリー管理が必要だったりと、事前に知っておくことは多い。メディアデーには会場内は閑散としていたが、開幕初日の13日は14万人を超えた。最寄り駅から会場まで長蛇の列ができ、施設や飲食店にも長い待ち時間が発生したようだ。
散策中、気になったのは、真夏の暑さ対策。会場内は、大屋根の下を除き屋根のある場所が少なく、入場ゲート付近にはほとんど日陰がない。各施設の順番待ちでも並ぶとなると辛いものがある。熱中症リスクが高まるとともに、海外からの来場者が日本特有の蒸し暑さに苦しみ「もう日本はこりごりだ」と感じさせてしまっては本末転倒だ。せっかく日本をPRできる貴重な機会であるだけに、マイナスの印象を与えないよう、暑さ対策をはじめとする受け入れ体制の強化が急務だ。(城)