14日朝、和歌山市の公舎内で倒れているのが見つかり、救急搬送された病院の集中治療室(ICU)で治療が続いていた岸本周平知事が15日午前9時33分、敗血症性ショックのため死去した。68歳だった。葬儀の日程等は未定。

 県などによると、14日午前10時15分ごろ、知事と連絡がとれないため秘書が公舎を訪ねたところ、意識不明の状態で倒れているのが見つかった。日赤和歌山医療センターに搬送されたが容体は重体で、懸命の治療が続けられていた。

 13日には大阪・関西万博関西パビリオンのオープニングイベントに出席。和歌山館展示品の神輿を担ぐなどPRに努め、午後に公舎に戻っていた。14日は午後から新宮市で地域住民らとまちづくりについて意見を交わすタウンミーティングに出席する予定だった。現職知事の死亡は2018年の翁長雄志沖縄県知事以来。

 岸本氏は和歌山市の出身で、県立桐蔭高校から東京大学法学部に進学。卒業後は旧大蔵省(現財務省)に入り、理財局国庫課長などを務めて退官。2009年の衆院選で初当選した。5期目途中で衆院議員を辞職し、22年の知事選に立候補。自民、国民民主各党の推薦を受けて初当選を決め、現在は1期目だった。政治家としては国会議員時代から朝の辻立ち(街頭演説)で市民と触れ合うことをライフワークとし、JR和歌山駅前などに立ち続けていた。柔道四段。

 公職選挙法の規定では、県選挙管理委員会に知事の死亡が通知されてから50日以内に知事選が行われる。知事の職務は宮﨑泉副知事が代理する。