
1964年の東京オリンピックを招致し、御坊市名誉市民第1号となっている故和田勇氏の次女メアリー・マリコ・ロースさん(84)=米国サンフランシスコ在住=と夫のブレントさんが14日、御坊市を訪れ、御坊ロータリークラブに和田氏に関係する100点以上にも上る遺品を寄贈した。
マリコさんは和田氏への名誉市民授与式があった2004年4月、顕彰行事が行われた18年11月以来、7年ぶり3度目の御坊訪問。この日は同クラブの歴代会長で和田氏の顕彰事業に力を入れている岡本恒男さん、阪本仁志さん、野村義夫さんの案内で中町の寺内町会館を訪れ、さまざまな和田氏の功績展示について片山隆館長から説明を受けた。和田家の墓がある塩屋町南塩屋の光専寺、和田家跡がある祓井戸、祖母の出身地となる由良町戸津井も巡った。
市役所では三浦源吾市長が出迎え、マリコさんと自身が日高振興局長時代に会って以来の再会を喜ぶとともに、和田氏の功績や小学生作文コンクールなど100を超える顕彰事業を振り返り、「市長になってあらためて和田氏の功績に深い感銘を受けている。御坊市の自慢の一つとして広めていきたい」。マリコさんは和田氏が幼少時代に御坊で過ごしたことを紹介し、「御坊で大切なことを学び、アメリカ人に教えた。私も日本の空気や人の優しさがすごく気に入っています」と話した。
寄贈された遺品は和田氏に宛てたサインが多く、中には女優の鰐淵晴子らの色紙も。著名人との写真や、仮谷志良元知事からの感謝状などもあり、和田氏の交流の広さや遺功がしのばれる。今後、寺内町会館で展示。マリコさんらは15日に御坊を離れ、しばらく日本の観光を楽しむ。