日高川のアユの友釣りが、来月1日に解禁される。埼玉県の秩父荒川(4月29日)に続き、全国で2番目の早さ。釣り人にとっては胸の高鳴る季節。すでに海産アユの遡上が始まっており、日高川漁協も河川各所に放流を行っている。漁協で育てたアユの生育は良好で、例年よりも大きく、解禁初日から比較的型ぞろいのアユが釣れそうだ。自然遡上も今年は豊富とみられ、期待は高まる。
筆者の実家の近くには小さな川が流れていた。子どもの頃から水辺で遊び、春には稚アユが遡上し、夏は友だちと川で泳ぎ、秋にはモクズガニ(地元ではズンゴ)を捕り、冬は寒バエ釣りを楽しんだ。季節を通して川と遊び、川が生活の一部のような存在だった。
アユの友釣りも好きだ。始めたのは30年ほど前で、夏の休日には日高川にも通った。当時は釣り人が多く、どのポイントも釣り人が竿を出す光景がみられたが、近年はアユ釣り人口は減少傾向だという。要因は、友釣りは竿などの値段が高く、始めるには敷居が高いことなどがある。一方で海産アユの遡上数もかつてほどではなく、川そのものの魅力が薄れているのもアユ釣り人口が減少している要因かもしれない。
川には自然と接する面白さに気づくきっかけとなることもあり、人の記憶や地域の文化も育てる。自然豊かな川を次の世代にもつなぎ、子どもから大人までが川に目を向け続けることを願う。
アユが釣れれば釣り人は増える。川に魅力があれば、人は自然と集まる。それは山も海も、地域も、人も同じ。今、どこもかしこも人口減少が大きな課題。魅力ある日高、魅力ある日高の人々の存在をどうアピールするかを考えることが最も重要ではないか。(雄)