北吉田のハス池であずま屋をバックに咲き誇る可憐な舞妃蓮

 御坊市藤田町北吉田のハス池公園を運営するNPO法人北吉田蓮の郷は、発足から今年で10周年を迎えた。御坊生まれの舞妃蓮と太古の花の大賀蓮を発信、地域活性化につなげようと「舞妃蓮の郷」と「五反田池」の2つのハス池を整備し、公的補助に頼らず地域住民の力を借りた手作り、地道な活動を継続。今年は多彩な記念事業を企画しており、一層盛り上げていく。

蓮の郷は2015年4月、地元有志が立ち上げた。ハス池では毎年開花シーズンに多くの人が見物に訪れ、古典芸能の夕べも開催している。昨年はオリジナル品種「北吉田白蓮(はくれん)」の開発に6年越しで成功し、初めてお披露目され、今年は2つ目のオリジナル品種も発表できそうだという。まちいっぱいにハスを咲かせようと、市内の駅、金融機関、病院などに大賀ハスの鉢を設置する取り組みも行っている。

 節目の記念事業ではハス開花シーズン入りに合わせて6月8日、オープニングイベントを実施。和歌山大賀ハス保存会の阪本尚生会長の講話、美浜友遊くらぶの銭太鼓踊り、箏とフルート演奏のほか、ユニークな花托(かたく)飛ばし大会も開催。今月25日には藤田小でハスの育成体験を行う。6月と10月には染織家・紬織の人間国宝志村ふくみさんの孫で、草木染め作家の志村宏さん(京都)を迎えて珍しいハスの染料を使った草木染め体験会を開く。ほかフォトコンテストや記念冊子の発行を予定。

 蓮の郷の佐竹成公理事長は「紀北や紀南は人の交流や観光客が多いが、紀中は穴になっており、何とか人が集まる拠点にできれば。ハス公園の来場者がコロナ後から徐々に回復し、昨年は8000人となって、今年は1万人を突破できそう。万博開幕の機会に外国人にも和の美しさを知ってもらいたい」と話している。