先月、母校で日高川町の和佐小学校が閉校し、創立149年の歴史に幕を下ろした。同校は明治9年(1876)9月3日、当時の丹生神社で開校し、当初の児童数は45人だったとか。筆者が通っていたころ、9月3日は開校記念日で、休みだった記憶がある。

 閉校式では、式後のイベントで、甥があいさつ。仕事で行けなかったが、新聞やテレビで見たほか、参加した両親に話を聞き、お世話になる方に音声データをいただいた。身内の話で申し訳ないが小欄を借りて一部を紹介したい。甥は思い出を語り、「僕はこの学校が大好きでした。兄たちも、お父さんも、叔父さんも、おじいちゃんも、ひいおばあちゃんも、ひいひいおばあちゃんも、この小学校の卒業生です。そんな歴史の一員になれたことが僕の誇りです。和佐小学校がこれからも人生のスタート地点として自信を持ち、胸を張って新しい道を歩んでいきたいと思っています」。在校生へのメッセージや感謝もしっかり述べていた。このあいさつができる児童は149年の歴史で一人。叔父ばかだが、とても立派で、あっぱれだと感心した。

 その後、家に閉校記念誌が届けられた。百年史(昭和51年)以降の記録で、学校の沿革や歴代校長・職員、卒業生らの名簿、写真が掲載された一冊。ページをめくると、当時の思い出がよみがえってくる。楽しかった行事から先生、同級生に年上、年下の子の顔まで全てが懐かしい。

 そして今月、三百瀬小、江川小、山野小と統合し、川辺東小学校が誕生した。新たな歴史の一ページがつづられていく。甥が言うように人生のスタート地点の一つといえる小学校。これからも笑顔が並び、希望あふれる学び舎であってほしい。(笑)