浅見さん監修「クメール料理を楽しむ やさしさのレシピ」

 カンボジアの今を、もっと皆に知ってほしい――。御坊市藤田町吉田出身でカンボジアの子どもたちを支援するNPО法人の理事長を務める浅見摩紀さん(45)=神奈川県在住=監修の書籍「クメール料理をたのしむ やさしさのレシピ」が25日に発売される。クメールはカンボジアの主要民族の名で、料理レシピだけでなく浅見さんによる現地の最新レポートなど、充実した内容となっている。浅見さんは「カンボジアに少しでも興味を持っていただけたら幸いです」と話している。

 浅見さんは大成中から智弁和歌山高校、学習院大学出身。大学生の頃、タイで日本語を教える活動のアシスタントを行ったことからアジア文化やアジアの人々に関心を持ち、早稲田大学の国際交流活動サークルに所属。高田馬場界隈のアジア料理店などを通じてアジア、特にカンボジアの人々と実際に交流を深めることとなった。現在は神奈川県で夫と飲食業・旅行業を営みながら、理事長を務めるNPО法人JECSA JAPAN(ジェクサ・ジャパン)の活動で年に3回ほどカンボジアを訪れ、子どもたちの支援を行っている。

 カンボジアは70年代にポル・ポト政権によって国民が壊滅的な被害を受けた。現在は経済的発展が著しいが、一方で貧富の差が激しく、貧困問題を抱える。 

 浅見さんは「カンボジアの方々は内戦など厳しい歴史を経ているのにポジティブで、明るい中に奥ゆかしさもあり、日本に通じる国民性があるように思います。日本の人々が学校や橋などを造る活動をしたことから、日本にとても好意を持ってくれています」と話し、「支援というとちょっとかたくて近寄りがたいイメージがあるかもしれないと思い、グルメからカンボジアのことを知ってもらいたいと、おいしいレシピや現地の子どもたちの様子などのコラムを書かせていただきました。まだなじみが薄い国かもしれませんが、こうした本から少しでも皆様に興味を持っていただけたら幸いです」と話している。

 今回の書籍はTRASHBООKSの雑誌「暇」の別冊として発刊。カレーソーメン、豚肉の炒め物のせご飯、「おかえりマンゴー」など5品のレシピと、浅見さんのレポート「教育活動支援から見えてきたリアル コミュニケーションを超えた『心合わせ』とは?」などが掲載されている。

 アマゾン、楽天などインターネットでも取り扱う。A5判、26㌻。定価は600円(税別)。