高校生だったころから、パソコンでのオンラインゲームが流行し始めた。初めは学校の同級生と遊んでいたが、次第にネットで知り合った人(ネッ友)ともプレイするようになった。ゲームの種類も増え、一時は夜遅くまで文字チャットで盛り上がることが日常になった。結局、実際に会うことはなく、現在は連絡も取っていない。今後もつながることはないと思うと、少し寂しさも残る。

 そんなネットゲームだが、先月、女子高生が人気ゲーム「フォートナイト」で知り合ったネッ友宅で、遺体で見つかる事件が起きた。同ゲームは小中学生にも人気で、家庭で子どもが遊んでいるというケースも多いだろう。かつては文字チャットが主な手段だったが、現在はボイスチャットが中心となり、キーボードが打てない子どもでも簡単に会話ができるようになっている。ニフティ株式会社が昨年実施したアンケートによると、「ネッ友がいる」と答えたのは小学生で約65%、中学生では約80%にのぼる。出会いのきっかけは、「ゲーム」が最も多かった。

 子どもたちにとって、ネッ友は新しい価値観や趣味を共有できる相手であり、現実の友人関係では得られない刺激をもたらす存在でもある。しかしその一方で、ネット上のやり取りは相手の素性が見えにくく、現実では想像もしないような危険が潜んでいることも忘れてはならない。

 だからこそ、保護者たちも「ネットのことはわからない」と無関心ではいられない。むしろ、子どもよりも一歩先の知識を持つ必要がある。フィルタリングや利用時間の制限といった技術的な対策も重要だが、大切なのは親子の間でネットでの出来事を話し合える関係性を築くことだろう。(城)