由良町の旧白崎小学校(現・大引コミュニティセンター)で、テレビ番組「逃走中」をモチーフにしたイベントが開かれた。番組は、遊園地やショッピングモールを舞台に、スーツとサングラス姿の「ハンター」がプレーヤーを追いかける鬼ごっこ型ゲーム。この人気番組を再現した今回のイベントは、県青少年育成協会、日高地域ジュニアリーダークラブ「レインボー」、由良町と日高川町のジュニアリーダークラブ、高校生おんぱく部が企画。中高生がハンター役を務め、募集で集まった小学生がプレーヤーとなった。定員75人に対し、倍近い申し込みがあり、イベントへの関心の高さがうかがえた。

 当日はあいにくの雨となり、当初予定していたグラウンドは使用できなかったが、校舎や体育館周辺を舞台にゲームが行われた。安全面を考慮し、「走らない」といったルールを設けたが、それでも子どもたちはハンターを見つけると「ワー!」「キャー!」と歓声を上げながら逃げ回り、ハンターの動きを止めるためにボールを使って反撃する場面も見られた。参加した小学生の一人は「校舎の中で思い切り遊べて新鮮だった」と話した。普段、学校では廊下で遊ぶことは禁止されているが、廃校という特別な環境だからこそ実現した体験だったのだろう。

 旧白崎小学校は廃校後、地元の団体によって食堂として運営されているが、今回のようなイベントを通じて、さらなる活用の可能性が示された。今企画は、中高生という若い世代だからこそ思いついた発想だろう。この取り組みを一過性のものにせず、今後も廃校を活用した地域イベントが行われることを期待したい。(城)