御坊市中学校部活動地域移行推進協議会が27日、市役所で開かれ、教育委員会から当面は中学校の部活動を存続させつつ、地域クラブの受け皿となる団体を発掘、育成していく方針が示された。新年度からは市公認地域クラブ認定制度を試験的に導入し、地域クラブが活動する際の練習場所や送迎などの問題点を洗い出し、2026年度から制度の本格運用を目指す。

 スポーツ庁・文化庁は2022年12月、「学校部活動及び新たな地域クラブ活動の在り方等に関する総合的なガイドライン」を策定、子どものスポーツ・文化芸術活動に親しむ機会の確保、少子化への対応、学校教員の働き方改革などを目的に、学校部活動を地域のスポーツ団体などに任せる地域移行を推進中。和歌山県教委は28年度をめどに地域でのクラブ活動の充実を目指す。

 市が昨年5月、児童や生徒、保護者、学校教員に実施したアンケート調査では、地域クラブへの移行に一定の賛成はあったが、学校部活動への所属希望の方が多く、地域クラブに対する理解があまり進んでいない現状が浮き彫りとなった。教委では学校部活動をすぐに地域クラブに移行するのは難しいと判断し、両方を存続させながら様子を見ていく。

 市公認地域クラブ認定制度は先進地の静岡県掛川市などの制度を参考につくっており、対象となる地域クラブは▽中学生が参加できる▽活動拠点は原則市内で移動について生徒や保護者の過度な負担とならない▽営利を目的としない――などの条件がある。申請受付は4月1日から。認定を受ければ中学校の部活動と同等の扱いとなり、市立の体育館や相撲場、武道館、市内小中学校体育館などの使用料が全額免除となる。

 現在、市内ではバスケ、サッカー、ソフトテニスの3団体のスポーツクラブが活動中。ほか市体育協会加盟27団体、市スポーツ少年団加盟18団体もあり、認定制度の申請を働きかけていく。