今年度末で廃校となる日高川町の三百瀬小学校(福田円校長)で26日、閉校式が行われ、児童や保護者、地域住民ら約100人が思い出の学び舎に別れを告げ、1875年(明治8)の開校以来、150年の歴史に幕を下ろした。4月からは和佐、江川、山野との4小学校が統合し、現和佐小学校に新しい川辺東小学校が誕生する。式では校旗が町に返納された。

 1875年、長楽寺を仮校舎として開校。1891年(明治24)には紀道神社境内に校舎が建設。1900年(明治33)に火災で校舎が全焼し、同年10月に現在の場所に移転された。この間、1953年(昭和28)の大水害で地域が被害を受けるなどの苦難を乗り越え、1862人の卒業生を送り出した。

 式で久留米啓史町長は「輝かしい歴史や培われてきた伝統は決して絶えることなく、新しい川辺東小学校に受け継がれる。在校生の皆さんは希望を持って新たな第一歩を踏み出し、いろんなことにチャレンジしてください」と式辞。福田校長は豊かな自然環境、卒業生や先人らに感謝しながら、「三百瀬小学校は閉校しますが、校訓にある『正しく、強く、明るく』のように何事にも全力で粘り強く取り組み、笑顔があふれる子どもたちの姿は、この地域の豊かな自然と人情あふれる人々がここに住む限り、これからも受け継がれていく」とあいさつした。児童を代表し、大森奈緒さん(新卒業生)が久留米町長に校旗を手渡して返納し、蛍の光を斉唱して締めくくった。

 式終了後、児童23人(新卒業生含む)が「Believe」を合唱。運動場ではバルーンリリースやもち投げが行われた。

 同日午後、和佐小学校でも閉校式を実施。27日には江川小学校と山野小学校でも行われる。新しい統合校の川辺東小学校の開校式は4月4日。