紀南交響楽団の生演奏で校歌をうたう生徒や来場の地域住民

 4月から上南部中学校と統合するみなべ町の高城中学校(高台浩校長)の閉校式が20日、同校体育館で行われ、生徒や卒業生、地域住民ら約300人が来場。生演奏で最後の校歌をうたったり、餅まきなどでにぎやかに78年の歴史に幕を下ろした。

 第1部の式典で山本秀平町長は1947年に高城村の地域住民や青年団らが校舎建設に力を注いで開校した歴史を紹介した上で「高城中の歴史と伝統、住民が注いだ思いは新しい形で引き継がれ、ふるさとへの誇りはこれからも生き続ける。何より子どもたちの未来が明るくなるよう歩みを進めていく」と式辞。高台校長は「閉校しても高城中は私たちの心の中に生き続ける。伝統は子どもたちによって新しい学校に引き継がれる」とあいさつした。西悠斗君(2年)が校旗を返納した。

 第2部のアトラクションでは、紀南交響楽団の生演奏で合併前の清川中学校、旧高城中学校、現在の高城中学校の3校の校歌を生徒や地域住民がうたい、体育館に心地よい音色が響いた。同校1・2年生は和太鼓演奏、最後の卒業生となった3年生はダンスを披露。最後は餅まきで歓声に包まれた。

 来場者には高齢者、小さい子どもを抱いたOBやOGら幅広い世代の姿が見られ、地域住民に愛された学校だったことをうかがわせた。卒業生の山川真子さん(27)は友達3人で来場し、「この体育館でバレーの練習に打ち込んだ青春の思い出がよみがえってきました」と懐かしみながら別れを惜しんでいた。