議会で審議中の県の新年度予算案のうち、がん対策施策に関する予算として約3億4200万円が計上されている。前年度当初比は約1700万円の増となり、がん治療を行う医療機関の施設の改築支援、患者と家族に対する支援などを進める。

 がんは基本的に加齢に伴いリスクが高まるが、もちろん、子どもや若い人もまったく例外ではない。もしわが子がそうなったら…。家族は精神的に大きなダメージを受けると想像される。

 県内では和歌山市の県立医科大附属病院と日赤和歌山医療センターが小児がん医療の指定病院となっている。遠方の患者は通院するにも家族の負担は大きく、入院となればずっと子どものそばにいてあげたいが、病室の添い寝は疲れがたまる。

 そこで今回、県は小児がん患者家族らへの支援として、新たに未成年の患者の入院に付き添う家族を対象に、民間施設への宿泊費の一部を助成する経費を予算案に盛り込んだ。

 承認されれば4月以降、入院中の子どもに付き添う家族は、ときにビジネスホテル等に泊まり、少しでも経済的、肉体的、精神的な負担の軽減につながることが期待される。国が高額医療費の患者負担上限額を引き上げようとしているなか、患者家族の会などから出た声に応えてのこの措置は、地味ながら非常に意義が大きい。

 ほかにも、県と市町村は若いがん患者の訪問介護等の在宅療養支援、治療に伴う外見の変化をケアするウィッグ等の医療用補整具購入費助成などの支援を行っている。それぞれ申請には要件がある。問い合わせは県健康推進課がん・疾病対策班℡073―441―2640。(静)