優勝メダルと個人賞のトロフィーを手に岡﨑司令補

 日高広域消防の岡﨑大地司令補(35)=日高町荊木=がメンバー入りするロープを使った救助活動「ロープレスキュー」のチーム「TRIC」が、2月に香川県丸亀市で開催された世界大会「GRIMP JAPAN(グリンプジャパン)2025」で優勝。岡﨑さんはコントローラー(他チームの採点者)として参加し、個人賞受賞の活躍でチームに貢献した。

 大会は2月16日から18日まで、遊園地のレオマワールドなどを会場に、日本19とアメリカ、イギリス、ベルギー、台湾、韓国各1、6つの国と地域合わせて24チームが出場。14想定を行い、合計のスコアを競った。岡﨑司令補は田辺市消防の6人と参加。中四国のチームとともに、最高点をマークした(同点で2チーム優勝)。

 競技は7人一組で行われ、チームはレスキュー隊員5人、要救助者役、コントローラー各1人で構成。コントローラーは他のチームの救助方法や技術を審査、採点する。コントローラーも審査、採点され、レスキューの得点と合わせてチームのスコアになる。技術や知識について評価、指摘する役割も与えられており、高い知識や経験が必要。技術交換や相手チームの成長を担う側面もあり、重要なポジションとされるなか、岡﨑司令補は個人賞の「ベストコントローラー賞」を獲得した。

 低所・高所からの救出だったり、川を渡したり、岩場での転落や橋からの宙づり、救助車両やヘリが入れない厳しい状況の災害現場で使われるロープレスキュー。岡﨑司令補は2011年の東日本大震災や紀伊半島豪雨をきっかけに、資機材導入や実際の現場運用に先駆け、13年から本格的に学び始めた。

 この大会には昨年も同じメンバーで、コントローラーとして出場し、準優勝。今回の優勝に「自分たちの技術が世界で一番優れ、職場で実践していることが間違っていないと確認できました」と笑顔を見せ、消防内で後輩の育成、指導も行っており、「消防全体のレベルアップを図っていきたい。地域住民の皆さんのために、学んだことや経験を職場に還元したい」と話している。