先日、美浜町出身でキャンプメーカー「Tokyo Camp」を展開する合同会社DRive(箕面市)の共同代表、吉川了さん(34)を取材した。Tokyo Campは、キャンプをしている人ならほとんどが知っている有名メーカー。その理由は、設立して間もなく発売した焚き火台が爆発的にヒットしたからだ。コロナのキャンプブームで国内外さまざまなメーカーがキャンプ用品を販売する中、同社の焚き火台は似たような形は他社にもあるものの、洗練されたデザインと機能性、低価格を実現し、多くのキャンプ好きの芸能人や人気ユーチューバーが紹介して話題になった。Tokyo Campの名はさまざまな動画で目にするようになり、キャンプを少しかじっている程度の筆者でも知っているくらい。そんなTokyo Campの経営が美浜町出身者で、20年前の松洋中時代に陸上競技で取材していた吉川さんと聞いたときは驚いた。

 今回の取材では焚き火台に続く主力商品としてコンパクトバーナーが紹介された。キャンパーの気持ちを的確にとらえた機能と、安土城をイメージした堅剛なデザイン性できっとヒット商品になることだろう。厳しい安全基準をクリアしなければならないJIA認証の取得まで間もなくで、ここまでの苦労話も聞かせてもらった。

 印象的だったのは「災害用に活用してほしい」という思い。「避難生活になったときにこのバーナーで温かい料理を作ったり暖をとったりしてほしい」と願う。社員のほとんどが小さいころから防災教育が進む美浜町出身だからこその思いだろう。地元出身者の企業として成長するとともに、地域の防災力向上に一役買う存在になってほしい。(城)