
美浜町出身の吉川了さん(34)らが共同代表を務める合同会社のキャンプメーカー「Tokyo Camp」が、新商品としてコンパクトバーナー「安土(Azuchi)」を開発した。安土城の力強さと重厚さを取り入れたデザインと機能性を兼ね備えたバーナー。発売は6月を予定しており、爆発的ヒットで同社の名を有名にした焚き火台に続くヒット商品として期待されている。
「Tokyo Camp」は、吉川さんを含む社員10人中8人が美浜中心の日高地方出身者で構成される合同会社「DRive(箕面市)」のメーカー。2020年に発売された焚き火台は大ヒット商品となり、キャンプ事業に参入したばかりだった「Tokyo Camp」の名は一気に有名になった。累計販売台数は約13万台。
今回のバーナーは、焚き火台に続く商品として約3年の歳月をかけて開発が進められた。カセットガス(CB缶)を使用するコンパクトバーナーで、既存商品を徹底的に研究し、キャンパーが求める機能を集結。風防や缶への遮熱板、五徳と土台の一体化、火力強化を追求した。デザイン面では、織田信長が築城した安土城をイメージし、ブラックステンレス仕上げによって頑丈さと安定性、荘厳な美しさを表現した。
安全性や耐久性に関する非常に高い基準を求められるJIAの適合性検査では、何度もあきらめそうになりながらも、信長のような強い思いを胸に試行錯誤を繰り返し、取得の見通しが立った。
吉川さんは「焚き火台を超えるヒットに期待。美浜町は津波などの災害リスクがある地域でもあり、災害用としてもバーナーを活用してもらいたい」と話す。開発を担当した長澤創さん(38)=神奈川県出身=は「多くの時間と資金を費やし、当初の予定より遅れたが、その分より良い製品が完成した。ぜひ手に取ってもらいたい」と自信を見せた。
価格は8000円前後を予定し、amazonなどのECサイトで販売を開始する予定となっている。