介護職員初任者研修の最終試験に合格して修了証書を手に笑顔の技能実習生ら

 全国的に少子高齢化や若者の仕事に対する価値観の変化などで労働力不足が問題となり、とくに地方の中小零細企業で深刻化する中、外国人材の活用が大きな課題となっている。御坊市名田町野島の社会福祉法人博愛会では将来的に介護の国家資格取得を目指す外国人に対して、同会の施設で働きながら無料で介護職員初任者研修が受けられる独自支援を行っている。

介護職員初任者研修は介護の基本や老化、認知症、障害の理解などを学ぶ9科目、130時間のカリキュラムがある。博愛会では特養老人ホームや老人保健施設などで受け入れているインドネシアとカンボジアの技能実習生ら12人を対象に、今年1月10日から今月7日までの16日間、特定非営利活動法人ほかぜ(上富田町)に委託して介護職員初任者研修を実施。以前から外国人材を受け入れているが、費用を同会が全額負担し、通常業務の勤務時間内に研修を受講できるようにも配慮した形での研修は初めてとなった。

 受講者全員が最終試験に見事合格し、7日の修了証書授与式ではほかぜの吉田公章理事長が「しっかり勉強して合格したことに胸を張って介護職員として頑張ってほしい」とエール。最終試験で最高得点だったエルファニ・フェブリアンティさん(24)は「研修は難しかったですが、こういった機会を与えていただいたことは大変感謝しています。介護福祉士になるため、もっと勉強を頑張ります」と話していた。

 今回の修了生は今後、上位の実務者研修を受講し、介護福祉士の国家試験にもチャレンジしていく。