環境にやさしい商品として注目されるチョコストロー

 日高川町和佐、菓子メーカーの株式会社たにぐち和歌山工場(谷口嘉人取締役統括工場長、本社・大阪市)がチョコレートで作ったストロー「チョコストロー」を開発し、販売を開始した。チョコストローの量産は世界で初めて。ストローとして使ったあとは食べることができ、脱プラスチックの流れに対応した環境にやさしい商品として注目されている。

 チョコストローは長さ20㌢で、直径8㍉の筒状。温かい飲み物はチョコレートが溶けてしまうが、冷たい飲み物は通常のストローとして使うことができる。ストローまで食べてしまうことができるので、ごみの削減につながる。

 同社は5年ほど前、「チョコレートを筒状にしてストローを作り、プラスチックごみを減少できないか」と考え、和歌山工場で試行を重ねて2年間かけてチョコストローを開発。製造方法に関しては特許も取得した。

 食材そのものを使ったストローの実用化で需要の開拓を図り、昨年から販売を開始。和佐の和歌山工場で製造され、ドリンクを扱う飲食店などと取り引きがあるという。

 プラスチック製ストローは細くて軽いため、リサイクル処理の際に機器の間に挟まってしまうことがある。また、回収時にこぼれ落ちやすいことなどからリサイクルが難しく、海に流れて環境破壊につながる海洋ごみになりやすいという。

 4月から開幕する大阪・関西万博では9月9日から15日まで、ヘルスケアパビリオンでチョコストローが展示される。谷口取締役統括工場長は「環境にやさしいチョコストローを世界にPRしたい」と話している。