
日高地方の中学校で6日、一斉に卒業式が行われた。みなべ町の高城中学校(高台浩校長)は4月から上南部中学校に統合となるため、最後の卒業式。1947年の創立から最後の卒業生となる3年生13人は、クラスメートや在校生、教諭、愛情いっぱいに育ててくれた保護者、地域住民に感謝の気持ちを「ありがとう」の言葉に込め、通い慣れた学び舎を巣立った。
2010年に清川中学校と統合してから11回目の卒業式で、第196号(創立からは2228人目)となる最後の卒業証書は山川美月さんが受け取った。
高台校長は「皆さんは高城中最後の卒業生として、どこに出しても恥ずかしくない立派な素晴らしい生徒たちだった」と3年生との思い出を振り返った上で、串本町で小型ロケット発射に挑戦している社長が、打ち上げがうまくいかなかったときの「失敗という言葉は使わない。得られる新しいデータや経験は成功につながる糧になる」との言葉を紹介し、「何事も恐れず、さまざまなことに挑戦し続けてほしい」とはなむけの言葉を贈った。
在校生代表の西口紗愛さん(2年)は「どんなときもみんなを引っ張り、学校を盛り上げてくれました。先輩方の姿を手本とし、上南部中学校でも頑張ります。これから夢や希望に向かう13人の皆さん、輝かしい未来へと進んでください」と送辞を述べた。
卒業生代表の岡﨑秀翔君は答辞で3年間の思い出を振り返り、「楽しく、ときにはつらいことがあったけど、乗り越えられたのはこのクラスだったから。みんなとの道のりを思い出として大切にします。みんなありがとう。在校生の皆さん、たくさんの笑顔をありがとう。先生方、温かく見守ってくださりありがとうございました。そして毎日一番近くで見守ってくれたお父さん、お母さん、愛情いっぱいに育ててくれてありがとう」と涙で詰まりながら感謝し、地域住民や最後となる校舎にも「僕たちの物語の舞台となってくれてありがとう。これから新たな場所で、13人の舞台が幕を開けます。高城中の思い出を胸に希望に満ちた輝く舞台へ、僕たちならきっと」と新しいステージでも挑戦していく決意をにじませた。
退場では、生徒が自分たちで作った花束を花道で見守る保護者に手渡し、涙で抱き合う姿も見られた。