帯状疱疹の予防に向けたワクチン接種が国の方針で4月から、65歳を対象に定期接種化される。帯状疱疹は加齢やストレス、過労、病気などによって免疫力が低下したときに体内に潜む水ぼうそうと同じウイルスが活発化し、赤い発疹が体に帯状に広がり、強い痛みで日常生活に支障が出る神経痛の病気。昔からあるそうだが、健康志向の高まる中、最近はよく見聞きする。
50歳以上で急増し、80歳までに3人に1人が発症。ならば定期接種の対象年齢を50歳に設定した方がいいと思うが、どうやらワクチンの予防効果や持続期間に関係があるらしい。現在、使われているワクチンは2種類あり、生ワクチンは予防効果50~60%、持続は5~7年、不活化ワクチンは予防効果90%以上で10年以上持続。帯状疱疹の発症のピークは70代とされており、ワクチンの持続期間を考慮し、70代に予防効果が高くなるよう65歳の定期接種にしているそうだ。
つまり50歳で定期接種しても、一番発症のリスクが高い70代の時には予防効果が薄くなっていることが予想される。それなら一定期間を空けて追加接種をすればいいと思うが、標準的な接種費用は生ワクチンが1回8860円。不活化ワクチンは1回2万2060円で、2回接種が必要なため4万4120円と高額で、なかなか自費での接種は経済的負担が大きい。
日高地方6市町が帯状疱疹ワクチンの定期接種を無償化する準備を進めている。50歳以上の接種に一部を負担する町もあり、高齢者に朗報。接種する、しないは自由だが、行政には住民から「そんな補助あるの知らなんだよ」と言われないよう、しっかり広報していただきたい。(吉)