
うめ生産者や市町、JAなどでつくる紀州うめ研究協議会の今年度ウメ研究成果発表会が27日、みなべ町山内のグランドメルキュール和歌山みなべリゾート&スパで開かれ、生産者ら約160人が耳を傾けて知識を深めた。
みなべ町東本庄の県果樹試験場うめ研究所の研究員5人と日高振興局職員1人の6人が日頃の研究成果を報告した。
金丸丈能研究員は「かん水量の違いが南高の果実肥大に及ぼす影響」と題して成果を発表。果実肥大時期に少雨だった2017年は梅の収穫量が他の年に比べて少なかったことから、「安定生産のためには適切な水分管理が重要」と、ハウス内に植栽した南高に対して4月下旬から5月下旬まで計5回、かん水量5㍉、20㍉、30㍉をそれぞれ与えた場合の果実肥大を検証した。結果、かん水量が少ないほど土壌の乾燥期間が長くなることで樹体にストレスがかかり、5㍉ではLサイズ、20㍉、30㍉では2Lサイズが中心となったことをデータで提示。「果実肥大のためには土壌を乾燥させないことが大切で、果実肥大期に無降雨期間が5~8日続いたら、雨量換算で20㍉以上のかん水を行うことが安定生産につながる」とアドバイスした。