
和歌山市出身の落語家桂枝曾丸が2日、御坊市民文化会館小ホールで落語会「御坊ぶーん寄席」を開き、おなじみのおばちゃん姿の創作落語と古典落語で約100人のファンを楽しませた。日高地方では初めてとなる定期寄席の第1回で、後輩の笑福亭飛梅(とびうめ)とともに二席ずつ披露。観客は生の落語の面白さとともに、イベントや講演とは違う寄席の空気を堪能した。
和歌山弁のおばちゃん落語で知られる枝曾丸は、日高地方でもイベントや講演会に出演、登壇する機会は多いものの、身近に落語を楽しめる地域寄席がなかったため、初の定期落語会を企画した。「御坊ぶーん寄席」というネーミングは、会場の市民文化会館が市民から「しぶん」や「ぶーん」と呼ばれていることから。市民文化会館指定管理者(シダックス大新東ヒューマンサービス)との共催で、春と秋に開催する。
この日、枝曾丸は和歌山弁落語の「祝い事」と師匠の故五代目桂文枝の十八番だった「はてなの茶碗」、飛梅は「動物園」と「試し酒」を披露。観客の中には、初めての地域寄席で家族にも落語の面白さを知ってもらいたいと、夫婦や親子で参加した人も多く、どこか懐かしい和歌山弁、心地よい大阪弁のしゃべりに身を任せ、イベントでは味わえないプロの落語を楽しんでいた。
美浜町の男性は「落語は大好きで、大阪の天満天神繁昌亭までよく行くんですけど、こうして地元で本物の落語が楽しめるのはうれしい」と笑顔。枝曾丸も「有料の落語会の今回は話のツボ、ツボで笑っていただけましたし、落語が好きな人が多く、演じる側としてもすごく楽しくやりやすかったです」と話していた。
次回は10月26日。二人会のゲストは未定。