コロナ禍が過ぎ、円安が進んでいる影響もあり、外国からの訪日観光客が増えている。日本の観光地は外国人だらけと言っていいほどだ。その外国人たちが日本の印象について口をそろえて言うのが「日本はゴミ箱がないのにまちがとてもきれい」ということだ▼その理由をインターネットで調べると、「きれい好きで、子どもの頃に小学校や中学校で教育の一環として教室をみんなで掃除し、その習慣が残っている」などという記載があった。日本人の美化意識は世界からも賞賛され、サッカーワールドカップなどでは日本人が試合終了後に自主的にごみを拾う姿がたびたび外国のニュースで取り上げられることもある▼先日、関東方面に行く機会があった。確かにごみ箱の少なさを実感。大勢の人が行き交っているのに、まちにごみが落ちていなかった。しかし、困ったのがごみの捨て場。コンビニで紙コップ入りのコーヒーなどを購入し、近くの公園で飲食したのだが、捨てる場所が見つからない。しょうがなく、ごみを持ち歩きながら周辺を散策したのだが、ごみを持ったまま歩き回るのは煩(わずら)わしさを感じた▼日高地方で生活している分には車での移動が多く、車内にゴミ袋を用意しているため、そんなに不便と感じることは少ない。しかし、県外に行くと車よりも徒歩で移動する場合も多い。他から来た人に快適に過ごしてもらうという観点からすれば、ごみ箱の設置も必要ではないか。確かにごみ箱を減らすことはコストの削減につながるが、海外ではまちの至る所でごみ箱が設置されているという。外国人に日本人の美化意識を知ってもらうことも大切だが、ごみを容易に捨てられる環境も日本の「おもてなし」につながるのではないか。(雄)