
日高川町を流れる日高川の支流、二級河川江川の改修工事が完了し、1日、江川小学校近くで竣工式が行われた。改修工事は、2015年から災害対策として江川から和佐までの4・9㌔にわたり、川幅の拡大や川底の掘削を実施。約10年をかけて完成させ、竣工式では地元から喜びの声が上がった。
江川流域は、2015年7月の台風11号による越水で、堤防や護岸が決壊し、床下浸水11戸、農地40㌶が浸水するなど甚大な被害を受けた。今回の工事は、原状回復の災害復旧事業では再発のリスクがあるとし、改良復旧事業として実施された。事業費56億円を投じ、川幅は12㍍から23㍍に拡大、川底は2㍍掘り下げ、さらに橋梁5基の架け替えも行い、付帯工事を含めて2023年度に完成した。
竣工式は、地元住民でつくる二級河川江川改修推進協議会(山本啓司会長)主催で、県や町、工事関係者らが出席した。山本会長は式辞で、「台風や集中豪雨のたびに命と生活を脅かされ、復旧作業に明け暮れていた地元にとって、今回の改修は長年の悲願。おかげで地域住民が安心して暮らせるようになった」と述べた。来賓祝辞では、久留米啓史町長が自ら江川沿いに住み、これまでの浸水被害を目の当たりにしてきた経験なども話し、「改修の完成により、これまで以上に安心安全な川へと生まれ変わった。脅威が完全になくなるわけではなく、今後も防災意識を高め、町全体で災害に強いまちづくりを進めたい」と述べ、事業推進に力を注いだ元衆議院議員の二階俊博氏も、「安全を守るために欠かせない事業であり、国土強靭化の代表的モデルの一つ」と完成を祝った。感謝状贈呈では、施工業者である株式会社柏木建設の柏木学代表に山本会長から感謝状が贈られ、記念碑除幕は山本会長、玉置孝勇副会長、久留米町長、二階氏が行った。最後に、玉置健之助副会長が「この川を大切に守り、次の世代へ受け継いでいきたい」と謝辞を述べた。