御坊市の塩屋漁港で水揚げされる稚アユ

 今月から県内の沿岸域で行われている稚アユの特別採捕の捕獲量が22日までに2048㌔となり、すでに昨年の期間中(2月~4月末)に水揚げされた2081㌔と同程度となった。今年は5年ぶりの豊漁といわれ、例年以上の天然アユが期待されている。採捕された稚アユは漁協や養殖業者で中間育成され、友釣りの解禁前に各河川に放流される。

 アユは秋に河口付近で産卵し、ふ化した稚アユは海で成長。川の水温が上昇し始める4月ごろから遡上(そじょう)を始める。特別採捕は浜辺や湾内の沿岸部で行われ、捕獲した5㌢程度の稚アユは中間育成された後、県内の各河川に放流される。

 今年の特別採捕をみると、御坊や田辺地域で特に多く、捕獲量はすでに県内で2000㌔を超えた。採捕の上限は3000㌔で、過去5年間の県内捕獲量をみると、20年は2937㌔と多かったが、21年が2284㌔、22年が2064㌔、23年が2054㌔、昨年が2081㌔と2000㌔前半が続いていた。

 日高川漁協は今年の捕獲量が多い要因について、「アユの産卵時期となる昨年秋に降った適度な雨で川の水量が増え、ふ化した稚アユが海までたどり着きやすい環境だったことなどが影響しているのではないか」と話している。ほかにも同漁協などが産卵させるための親魚を秋に放流していることも豊漁につながっているとみられる。

 日高川の友釣りの解禁は5月1日。友釣りには遊漁券(鑑札)が必要。詳しくは日高川漁協℡0738―52―0224。