
米国のトランプ大統領が突拍子もない発想で内外の問題解決に乗り出し、日本を含む国際社会が翻弄されています。まもなくロシアの侵攻開始から丸3年を迎えるウクライナの戦争は、ウクライナの頭越しにロシアと停戦交渉に向けた準備を進め、トランプ大統領が自国の利益を優先し、ロシアに有利な形での決着、ウクライナの安全保障をなおざりにするのではないかとの懸念が広がっています。
交渉の行方は日本にとっても重大な関心事。それを見越してか、中国が台湾への軍事的威嚇行動を強めています。米国はウクライナの鉱物資源獲得を目論み、そのために当事者的立場の欧州を抜きに交渉を始め、結果として、ロシアがウクライナの領土を奪い、将来のNATO加盟を断念させ、さらに停戦後の平和維持部隊を派遣させない――などとなっては、国際秩序が完全に崩壊しかねません。
今回はあえて、現状のウクライナ情勢に関する話を長々と書きましたが、このモンゴル出身の著者の最新刊は、いままさにウクライナと同じ脅威にさらされている日本人にタイムリーな一冊。内容は、中国という国がいかに歴史を書き換え、他の民族(宗教)を弾圧し、領土を奪い拡張しているかという三つの視点から、自身の体験も含めてその本質を解き明かしていきます。
われこそが世界の中心、最強の国家なり――。そのめちゃくちゃな言い分に、日本人の常識やルール、秩序などまったく通用しません。そんな国を黙らせるには、同じように「わがばっかり」な強国のリーダーしかいないのかも。(静)


