児童に「諦めずに挑戦し続けて」とアドバイスする中村さん

 パラリンピック水泳に5大会出場し、銀メダル獲得など活躍した中村智太郎さん(40)=橋本市=が10日、みなべ町の南部小学校で講演し、個性を認めることや挑戦することの大切さを熱弁した。

 中村さんは生まれつき両腕がないが、両親の勧めで5歳から水泳を始めた。同じ両腕のない選手が水泳で活躍しているのを見て中学から競泳に取り組み、2004年のアテネから21年東京まで5大会連続でパラリンピックに出場。アテネで銅、12年ロンドンで銀メダルを獲得した。東京を最後に現役引退し、現在は橋本市の職員として働いている。

 中村さんは6年生38人の前でパソコンを操作しながら講演。「両腕がないからかわいそうと言われることがあるが、自分も友人も障害者と思っていない。背が高い人と低い人、足が速い人も遅い人もいるのと同じ個人差。個人差=個性と思ってほしい」などと、特別な目で見ないことを心がけるようアドバイス。これまでの体験から、日本よりも外国の方が特別な目で見る人が少ないことも説明し、「人と違って当たり前という感覚がもっと日本にも浸透してほしい。互いを知ることが支え合える世の中になる」と分かりやすく語りかけた。

 実際の競技映像を流したり、パラリンピックの精神「失われたものを数えるな、残されものを最大限に活かせ」の言葉を紹介したほか、足のけがでくじけそうになったことも振り返り、「周りの支えと励まし、そして挑戦し続けることで5大会に出場することができた。諦めたらそこで終わり。みんなも諦めず、いろんなことに挑戦し続けてください」と語りかけた。

 児童は銀メダルと銅メダルを触って笑顔を見せていた。