筆者のベッドサイドテーブルはいつも数十ページだけ読まれた本で溢れかえっている。ベストセラーや書店の平台を飾った作品、どれも良書ばかり。眠れない夜に本を開いてはいつのまにか寝落ち。または、活字に疲れて動画観賞。そして、立ち寄った書店でお気に入りの本を見つけては新たに購入。その晩、気がつけば買ったばかりの本を枕に熟睡…のループ。読了を待ちわびる本があれよあれよと言う間に一冊、また一冊と積まれて行く。あと数冊も積めば本タワーはバサバサと音を立てて崩れ落ちるだろう。気ままに積み上げられたタワーをこれ以上増築させないためにも一冊は読み切りたい。そして、今年こそ惰性に負けない読書習慣を確立したい――。

 このように筆者の読書習慣が散々であることは充分に伝わったことだろう。では、世間の読書習慣はどうだろうか。SNSや動画配信コンテンツ、映画・ドラマのサブスクリプションサービスなどエンタメの発達により現代人の可処分時間は更に細分化されている。娯楽を手軽に楽しめるこの時代、読む労力が必要とされる読書の立ち位置は…。

 文化庁の令和5年度「国語に関する世論調査」の結果(2024年9月17日発表)より、1カ月に読む本の冊数は2008年度から18年度までほぼ横ばいで約5割弱の人(16歳以上の個人)が0冊だったが、23年度は約6割まで増加。また、「読書量は減っている」と答えた人は全体の約7割を占めている。よって現代人の読書離れが進んでいると考えられるだろう。多方面から情報にアプローチできる現代において読書量の減少は当然か…とも思う一方で文章に携わっている一記者として個人の読書への働きかけは止めないでほしい!と願うばかり。(丸)