今夏の参議院議員選挙で9日、立憲民主党県連が会社役員で新人の村上賀厚氏(65)=和歌山市=、自民党県連が二階俊博前衆議院議員の三男で新人の伸康氏(47)=田辺市=を和歌山選挙区に擁立すると発表した。立憲民主陣営は、本人とともに会見した野田佳彦党代表が保守分裂の波乱含みの戦いに「勝機あり」。一方、自民県連は二階氏の支援で一致団結していくことをアピールした。
立民県連は和歌山市で会見し、野田代表が「去年の衆院選(和歌山2区)で保守が分裂し、今回もそういう様相。裏金問題に関わる有力議員がいまも力を持っている地域でもあり、野党としては候補者を必ず立てて勝たなければいけない」と説明。野党候補の一本化にも意欲をみせ、村上氏については「経済通で、即戦力になる」とした。村上氏は物価高騰、少子化の問題などを取り上げ、「打開策として『人を豊かに』というのを訴えさせていただいている。そのために人への投資が必要」と話した。
自民県連は和歌山市で拡大役員会を開き、前有田市長の望月良男氏(52)と伸康氏が所信を述べ、いずれを公認候補予定者にするのか投票で決した。結果は、二階俊博名誉会長はじめ県連役員、特別党員の首長ら有効投票数128票のうち伸康氏82票、望月氏46票。この2人とともに、投票者も全員、「候補予定者に決まった人を支援する」という誓約書を提出する異例の対応も取っており、石田真敏県連会長は「少数与党となり、夏の参院選が天下分け目の戦い。一糸乱れぬ態勢で臨んでいただきたい」と保守分裂の回避を訴えた。
伸康氏は会見で「衆院選のお詫び行脚の中で参院選に挑戦してはどうか、保守分裂を繰り返すことが和歌山の発展につながるのかという声をいただいた」として、参院選への出馬を決意したと説明。東京一極集中の打開、地方創生、半島防災などに意欲をみせた。県連では近く、党本部に公認申請を出す。望月氏は「力及ばず残念。誓約書にサインしており、いまの段階で、無所属で出馬する考えはない」と話した。
参院選和歌山選挙区には昨年末、参政党新人の林元政子氏(50)=和歌山市=が一番手で出馬表明している。