武者たちに糸を飛ばす土蜘蛛

 日高高校は5日、御坊市民文化会館で附属中学生含む全校生徒を対象にした芸術鑑賞会を開き、能楽の魅力を堪能した。

 同校の1954年度卒業生で、大阪市内でカタログやパンフレット作製などを行う株式会社アイドマの専務を務める岩本よね子さんの寄付で開かれた鑑賞会で、大阪市の山本能楽堂が公演。

 演目は「土蜘蛛」で、病に伏せる源頼光のもとに現れたクモの化け物「土蜘蛛」を武者たちが退治する物語。土蜘蛛が糸を飛ばす場面では、両手から出た白く細い糸が舞台いっぱいに広がり、武者たちも刀で応戦。笛や太鼓などの囃子(はやし)が生み出す緊張感と高揚感も相まって、生徒たちは熱心に見入っていた。

 演目の前には物語の解説や、囃子の楽器紹介、希望生徒によるすり足体験などもあり、生徒たちは能の知識を深めた上で鑑賞した。