
3年後の2028年に「御遷宮三百五十年」を迎え、社殿等大改修へ奉賛(寄付)を募っている御坊市薗の小竹八幡神社(小竹伸和宮司)に31日、はまゆうアマチュア無線クラブ(山田英一会長)から「役立ててください」と100万円の奉賛があった。1件の奉賛額としてはこれまでで最高。同クラブは発足当時、同神社の社務所を活動場所に使わせてもらっていたことから「恩返しのいい機会」と決めたという。
同クラブはアマチュア無線のクラブとしては県内で最も古い歴史があり、1960年に発足。この日は山田会長(88)=御坊市薗=、副会長の中尾光宏さん(80)=同=、幹事の川合洋治さん(78)=同=、事務局の野村義夫さん(72)=御坊市御坊=が同神社を訪れ、目録を小竹宮司に手渡した。
現在の会員数は、日高町からみなべ町まで26人。最も若い会員で50代、最年長は山田会長。発足当時は必要な機械なども手に入りにくく、会員は手作りして活動したという。不特定多数の人と交信できるのが魅力で、山田会長はヨーロッパの各国ともよく交信していた。
活動には国家資格である無線従事者免許を取得する必要があり、試験に向けて同神社社務所で講習会を何度も開催。当時の御坊中学校放送部顧問の教員を迎えて勉強した。
山田会長は「当時は何十回となくこちらの社務所へ集まって、勉強させてもらっていました。先代宮司の故小竹睦郎さん(享年59)には快く会場として社務所をお貸いただき、大変お世話になりました。この機会にお礼の気持ちを表すことができて、うれしく思います」と話している。小竹宮司(55)は「50年に一度の御遷宮祭に当たっての大改修に向け、昨年12月からご奉賛を広くお願いしています。皆様が氏神と感じてくださっていること、大変ありがたく思っています」と話している。