現場の電波状態をチェック(山野の三津ノ川集会所近く)

 日高川町は、大規模災害で孤立集落が発生した際、ドローンを使って空から物資を運搬するインフラ構築を進めている。

 昨年1月の能登半島地震で、日高川町で物流サービスを展開するネクストデリバリーと親会社の株式会社エアロネクストが輪島市からの要請を受け、ドローンを使って医薬品などを被災地に運搬。自衛隊員が徒歩で5時間以上かかる場所へも10分程度で搬入できた。災害時のドローンによる被災地への物資搬送は全国で初めてだったが、ドローンの飛行には着陸側の位置(座標)が定まっていないと運航ルートを作成できないため、当時は一度、孤立集落まで行く必要があった。

 日高川町ではこの能登半島地震の教訓を生かし、事前にドローンの飛行ルートを確保。ネクストデリバリーが運営するスカイハブ日高川が飛行させている既存10ルート(美山地区地内)に加え、3月末までに町内全域を対象に新しい20ルートを新設。ほか、災害時にドローンが着陸できる場所も10カ所を設定している。

 30日には着陸地の一つとなる山野地内の三津ノ川集会所近くの広場をチェック。電波の状況や周囲に木などの障害物がないかを確認し、今後は実際に飛行も行う。

 町の担当者は「ドローンを活用し、万一に備えたい。今後は防災訓練にもドローンを活用することも考えていく」と話している。