
御坊市は老朽化が進む日高川の野口橋(延長351・8㍍)について、利用の低さや更新時の莫大な費用を考慮し、将来的に撤去する方針を固めた。当面は2026年度に実施する定期検査の結果をみて撤去時期を見定めるが、現段階でも通行に支障があると判断した場合は、検査を待たず即時通行止めにする可能性もある。
野口新橋の上流に位置し、野口と藤田町藤井を結ぶ野口橋は1959年の完成以来、66年が経過している。最大幅員は4・8㍍で、藤井側が狭く、乗用車の対向ができない状態となっている。03年に市道認定され、県から市に管理が移っており、市が実施した過去2回の定期点検では、いずれも早期に措置を講ずべき状態を示す「Ⅲ判定」となっていた。
廃止(撤去)するか更新(改修・新設)するかを検討するため、市は23年12月から翌24年1月まで周辺住民や利用者らを対象にしたニーズ調査を実施。結果は野口橋の存続を希望する回答が半数を超えた一方で、利用頻度の低さが浮き彫りとなった。
また、野口橋の撤去には約6億円、新設には約14億円が見込まれ、架け替える場合は合わせて約20億円の予算が必要となる。塗装や橋脚面などの改修だけでも2億2000万円がかかる。
市担当課は「26年度の定期検査でⅢ判定が出た場合は、状況を見ながら撤去時期を見定めたい。緊急に措置が必要なⅣ判定のときはすぐに通行止めにし、撤去の流れとなる」と話している。