
県の2024年度わかやまこどもエコチャレンジ活動レポート入賞作品が決まり、日高地方からは最高の金賞に印南町の清流小学校4年、矢戸田慈(いつき)君(10)が選ばれた。矢戸田君は夏休みに自宅の畑で栽培しているサトウキビを研究し、たくさんの二酸化炭素(CO2)削減につながっていることをレポートにまとめ、高い評価を受けた。2月6日からイオンモール和歌山で展示される。
県内の小学生を対象に、地球温暖化について考え、楽しみながらエコ活動に取り組むことで関心を高めてもらおうと県が主催して毎年行っている。テーマは「地球温暖化対策」で、73校の2720人から応募があり、金賞1人、銀賞2人、銅賞5人を選んだ。
矢戸田君はテレビのニュースで「猛暑で野菜が育たない」と報じられていたことに関心を持ち、植物が気孔を閉じて光合成ができなくなるためだと勉強。光合成はCO2削減になることから、暑さに強い植物を育てることがCO2削減になると考えた。両親が畑で栽培している野菜や梅の木も元気がなくなっていたが、春に植えたサトウキビは逆に猛暑になってから速いスピードで成長していることに気づき、サトウキビを育てることがCO2削減になるのではと、夏休みに観察をスタート。
夏の1カ月間で、1つの株から出ている本数が2倍に増えたことなどをグラフで分かりやすく説明し、「たくさんのCO2を光合成で吸収したと思う。家庭菜園や使われていない畑、学校などにサトウキビをたくさん植えるといいと思う。砂糖作りができて楽しいし、CO2が削減できて地球温暖化防止になると思う」とまとめた。
審査員からは「植物とCO2との関連に着目しているのがいい。実際に育てたサトウキビからの換算がいい」と評価された。
矢戸田君は「金賞を取れてうれしい。来年もサトウキビを育てたい」と笑顔で、今後はソーラーパネルで家電を動かすエコ活動への挑戦も考えているという。