1月のテーマは巳年にちなんで「蛇」。児童文学として日本でも有名なイギリスの作品をご紹介します。

 「ジャングル・ブック」(ルディヤード・キップリング著、氷川瓏訳、小学館「少年少女世界の文学」6巻所収)

 インドの密林でおおかみに育てられた少年モーグリが主人公で、動物たちが生き生きと活躍します。ここに登場するヘビは、「カア」という名の10㍍に及ぶニシキヘビ。猿の群れにさらわれたモーグリを熊のバルーや黒ヒョウのバギーラと助け出します。

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 そこへカアが、まっすぐに、矢のような勢いでやってきた。からだじゅうに、敵をたおそうとする気持ちがみなぎっていた。

 にしきへびの強さというのは、頭をふりあげ、全身の力と重さをこめて、ビューンとたたきつけるところにある。一メートルか一メートル半ぐらいのにしきへびでも、うまく胸に当てれば人間を倒すことができる。まして、カアは十メートルもあるのだ。その第一撃は、バルーを囲んでいる群れのまんなかに向けられた。