東京大空襲で10万人以上が亡くなり、沖縄が占領され、広島と長崎に原子爆弾を落とされ、対米戦争が終わった。1945年8月のあの夏から今年で80年。時代が昭和に変わって100年を迎える。

 ポツダム宣言に基づき、日本政府はGHQによる間接統治を受け、教育の民主化など5つの改革が進められた。46年11月3日には新たな日本国憲法が公布され、47年5月3日から施行された。

 日本は「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した」新憲法の下、平和国家として生まれ変わった。そのころ、世界の覇権をかけた米ソの対立が激化した。

 朝鮮戦争が勃発し、日本は米国から再軍備を求められるも、経済復興を優先する吉田茂首相はサンフランシスコ平和条約署名と同じ日、国防を米国に委ね、国内の基地を米軍に提供する安全保障条約を締結した。

 以来74年、日本は奇跡的に他国との武力衝突が起こらず、国民の生命や領土を奪われることはなかった。ある人はこれを日米安保のおかげといい、ある人は平和憲法(9条)のたまものだという。

 今月20日、「合衆国を再び偉大な国にしよう」と息巻くトランプ氏が米国大統領に就任する。ホワイトハウスを明け渡すバイデン大統領は今月3日、日本製鉄によるUSスチールの買収計画を禁止する命令を出した。

 同盟国との絆がリーダーの野心、政治的思惑に翻弄されている。自国第一主義はロシア、中国も同様、欧州でもそうした動きがみられ、世界は再び大戦へと進みつつあるかのよう。日本の出方が非常に重要なこの局面、現政権に流れを変える力はあるか。(静)