「SNSなども活用して政策を丁寧に伝えたい」と県庁で会見する林元氏

 来年夏の参議院議員選挙に向けて参政党新人の林元政子氏(50)=和歌山市=が26日、和歌山選挙区からの立候補を表明した。同選挙区での出馬表明は初めて。県政界は今年、自民党二階俊博氏が衆議院議員を引退し、その議席に参院からくら替え出馬した世耕弘成氏が二階氏の三男伸康氏を破って当選する激動の一年となったが、参院選も年明け以降、動きが活発化するとみられている。

 林元氏は有田市出身。和歌山看護専門学校を卒業し、在宅医療看護師としてNPO法人で勤めたあと、2003年、夫とともに訪問看護ステーションの会社を設立し、現在に至る。今年10月の衆院選では奈良1区から立候補。今回の出馬には、消費税ゼロや一次産業の所得補償の拡充などを掲げており、「SNSなども活用し、政策を丁寧に伝えたい」と話した。

 参院選和歌山選挙区は2019年の選挙で当選した世耕氏(62)の改選期に当たっていたが、世耕氏は政治資金問題で今年4月に自民党を離党して無所属となりながらも、10月の衆院選和歌山新2区に立候補。伸康氏との保守分裂選挙を制し、初当選した。

 いまのところ林元氏以外に立候補に向けた動きは表面化していない。有権者からは「衆院選で圧勝した世耕派から候補者を擁立するのではないか」「伸康氏が今度は参議院から出るのでは」などの声が出ている。ほかにも昨年の衆院選で躍進した立憲民主党や関西で人気の維新などの動きも注目。現職不在の激しい選挙戦が予想されている。