日高振興局が発注した道路工事の入札を巡る情報の漏えい事件で、和歌山区検は17日、日高郡選挙区選出で冨安民浩こと冨安民夫県議(76)=日高町高家=を地方公務員法違反(唆し)、柳岡太元日高振興局建設部長(61)=御坊市島=を同法違反(守秘義務違反)の罪で略式起訴。和歌山簡裁は同日、冨安県議に罰金40万円、柳岡元部長に罰金50万円の略式命令を出した。いずれも即日納付された。

 起訴状によると、冨安容疑者は昨年9月の競争入札で、秘密事項に当たる最高評価入札者と次点入札者を教えるよう、当時の柳岡元部長に電話で依頼し、柳岡元部長は職務上知り得た秘密を伝えたとされる。

 また、和歌山地検は同日、同法違反(唆し)の容疑で逮捕された元日高川町建設業協同組合代表理事で元建設会社社長の男性(61)=日高川町=を不起訴処分(起訴猶予)とした。理由については「諸般の事情を総合的に考慮した」としている。