美容室の倒産が急増している。今年1月から11月末までの11カ月間で107件で、前年同期比37・1%増。2000年以降の年間最多件数の105件(19年)をすでに上回った。コロナ対策による各種支援策が打ち切られたことなどが大きな要因で、シャンプーなどの材料費や光熱費の高騰、新規出店増による顧客の奪い合いなども影響しているという。
今の時代、美容院に限らず日本の大企業でさえ倒産に陥るケースがある。過去には共栄生命保険会社(00年10月、負債額4兆5296億円)、リーマン・ブラザーズ証券会社(08年9月、同3兆4314億円)などが倒産し、最近では日産自動車株式会社が経営悪化のために9000人の雇用解雇を発表した。
企業ではないが、日高川町和佐にある和歌山南陵高校を運営する学校法人の南陵学園(静岡県)も前経営陣のずさんな運営で資金難となり、22年に静岡県から生徒募集停止の命令を受けた。2年間入学生がおらず、現在は3年生18人だけとなっているが、先月29日、措置命令が解除。企業で言えば、倒産寸前の状態から脱したといえるが、決して安定経営とは言い難い。
企業が生き延びるにはオリジナリティを生かした他社との差別化も必要。少子化が進む中、学校法人の運営に関しても同じことで、特色のある学校づくりを進めることが重要だ。和歌山南陵に関して言えば、レゲエ調の校歌、部員6人で全国出場したバスケット部の事例がある。今後も防災拠点となるような学校づくりを進めるという。そういう意味では他校と比べてオリジナリティは高く、新入生の獲得につながることに期待。将来的には定員をオーバーする狭き門になればと思う。(雄)