山野小学校の子どもたちと一緒に記念撮影

 来春、周辺の3校と統合する日高川町の山野小学校(橋本和輝校長)で8日、閉校イベントが行われ、同校出身の元プロ野球選手垣内哲也さん(54)が講演した。テーマは「夢に向かって~プロ野球選手になった私の挑戦~」。野球人生で学んだことなどを紹介し、子どもたちに対しては「あいさつはスポーツや日常でも大切」と強調した。

 1988年、日高中津分校からドラフト3位で西武ライオンズに入団。2003年にはロッテに移籍し、06年まで現役として活躍。917試合に出場し、本塁打110本を放った。引退後は中日ドラゴンズの打撃と外野守備走塁コーチ、東北楽天の2軍打撃コーチなどを歴任。昨年と今年の2シーズンは台湾プロ野球の富邦ガーディアンズの打撃コーチを務めた。
 講演会は橋本校長との対談方式で行われ、児童や地元住民ら約100人が参加した。
 垣内さんは野球を始めたきっかけについて、「小学3年から兄の影響で野球を始めた。その当時は楽しいというよりも厳しかった。丹生中学校から中津分校に進学し、3年生のときにプロのスカウトから声がかかった」と振り返り、「プロの1軍で活躍する選手は陰で練習している。みんなと同じことをしていても上にはいけない。他の選手以上に努力をしなければならない」と語った。

 プロでの思い出は「清原和博さんらと同じチームでプレーすることができたし、和歌山出身の東尾さんの監督の下でもプレーができた。仲間に恵まれた」、親の役目については「子どもが何をやりたいかを見つけてあげ、その子の得意なところを伸ばしてあげてください」と述べた。

 子どもたちには「来年春の統合で小学校が閉校となりますが、山野小学校を忘れずに元気に育ってくれることを期待しています」とエールを送り、同じ山野出身で千葉ロッテに入団した青山学院の西川史礁選手(21)には「大学時代にいい成績を残しているので期待している。みんなで西川選手を応援してあげてほしい」と呼びかけた。

 講演終了後はグラウンドで児童を対象とした野球教室が行われ、キャッチボールやティー打撃を楽しんだ。川辺ウィンスターズに所属している亀岩帝珂君(3年)は「(垣内さんを)間近でみると、迫力がありました。一生懸命に練習し、将来はプロ野球選手になりたい」と話していた。