串本町の小型ロケット発射場のスペースポート紀伊で今月14日、カイロス2号機の打ち上げが行われる。
初号機の打ち上げは当初、2021年度中を予定していたが、コロナや世界情勢の影響で部品がそろわず延期を繰り返した。満を持しての挑戦となった今年3月9日は発射のカウントダウンまでしたが、警戒海域に船舶が入ったため、急きょ中止。ロケットの機器にトラブルがなかったことから、4日後の13日にあらためて打ち上げを行ったが、リフトオフして5秒後に自律安全飛行システムが稼働して爆発。太陽周期軌道に衛星を投入するミッションは失敗に終わった。
しかし、スペースワン株式会社は「失敗」という言葉を使わなかった。ロケット打ち上げは世界的にも難しく、国内民間企業では初の挑戦。今回もリフトオフまでのミッションは達成しており、あくまで全ミッションを完遂するまでの途中の段階であることを強調しており、必ず完遂して宇宙産業の発展に寄与するというスペースワンの強い信念を感じる。
先月29日にはスペースワンが将来的にロケットの打ち上げ回数が増えていくことを考え、発射場の増設を計画していることも明らかにした。いまでも十分、多くの見物人が来ているし、今後、ロケットの開発や製造工場の建設が期待できる。新たな発射場もまた和歌山県内になるようなら、さらにロケットのまちとしての発展が加速するだろう。
スペースワンの豊田正和社長は「今度こそはとの思い」と話していた。筆者を含め多くの人が同じ願い。2号機が宇宙への新たな扉を開くよう、勢いよく飛び立つ姿を楽しみにしている。(吉)