20年前の写真データを探していたら、懐かしい写真がたくさん出てきて、若かりし日の〇〇さんだったり、毎日通った事件現場だったり、当時を思い出した。脳というのは不思議なもので、20年前のことは普段、まったく頭に思い浮かべることはないが、写真を見ただけで鮮やかによみがえってくる。まさに引き出しが勝手に開いて情報があふれてくるように。もちろん、何の写真だったか分からないものも多く、印象深いものがより記憶に刻まれるのだろうことも感じさせられた。

 早いもので今年も残り1カ月を切った。1年を振り返って思い出すこともいろいろあるが、今月1日に美浜町で行われた町制70周年イベントは多くの人の心を躍らせ、今年一番の思い出になった人も多かったのではないだろうか。ブルーインパルスの航空ショー、夜空と煙樹海岸を明るく照らす花火は、見た人に強烈な印象を与え、脳に深く刻まれただろう。20年、30年先でも脳の引き出しからあふれて出てきて、この時の景色や温度、においまで思い出すことが出来るのではないか。町民はじめ多くの人の心を揺さぶったのは間違いない。

 筆者は担当記者ではなかったので一日中張り付いたわけではないが、本紙記事を読んでイベントの盛会ぶりが伝わった。とくに胸に響いたのは籔内美和子町長の「コロナ禍でうつむきがちだった町民に、夢や希望を抱いて再び空を見上げてほしい」との思い。いつからだろう、確かに下を向くことが多く、空を見上げることが少なくなった、そう感じているのは筆者だけではないだろう。空を見上げる、それだけでも気分が晴れる。さあ、上を向いて忙しい師走を乗り切ろう。せん越ながら、美浜町にあっぱれを送りたい。(片)