発掘調査で縄文時代の縦穴式住居や土器が発見された大芝遺跡(日高川町佐井)

 日高川町佐井で発掘調査が行われている大芝遺跡で30日、県文化財センター主催の現地説明会が開かれ、地元住民や考古学マニアら約70人が訪れた。調査では縄文時代後期(約4400年前)の竪穴式住居跡のほか、東海や関東地方でよくみられる土器も出土。住居跡は今後の調査でさらに増える可能性があるという。

 現場は佐井橋北詰から日高川に沿って上流約300㍍の右岸側。1953年の紀州大水害で被害を受けた田んぼの復旧作業中、縄文時代の石器や土器が発見されていた場所。今回はほ場整備に伴う発掘で、5月から約1万平方㍍を対象に実施している。

 これまでの調査で中世の溝や墓、縄文時代の竪穴式住居や柱穴、石器などを発見。竪穴式住居については今のところ13棟が見つかっており、県内で調査された遺跡の中では最も棟数が多い。今後も竪穴式住居が新たに発見される可能性もある。

 ほか、岐阜県北部や千葉県で出土される縄文土器の深鉢(ふかばち)も確認され、当時の人々が遠方の地域と交流があったと推測されるという。

 調査担当の濵﨑範子副主査(41)は「日高川流域に中核的な集落があった可能性が高い。縄文時代の人々が日高川流域で営んでいた生活を明らかにする上で歴史的価値がある」と話している。

 御坊市は債権管理条例を制定する。水道料金や市営住宅家賃、住宅新築資金等貸付金などの滞納による市債権を適正に管理するための条例。これまでは滞納している本人が行方不明、または死亡で遺族も相続放棄、生活困窮などの要因で債権の回収が困難な場合、市が議会の承認を得て債権放棄の手続きを行っていたが、条例を制定すれば議決なしで放棄が可能となり、業務の効率化が図られる。

 条例案は議会12月定例会(6日開会)に提出し、承認を求める。
 同様の条例は御坊、田辺、新宮の3市を除く県内6市がすでに導入している。