今年もはや師走。冬の寒さはまだそれほどでもないが、仕事のバタバタ感は相変わらずで、締め切りに追われながら、例年以上にミスや忘れ物を繰り返し、老いの加速を痛感している。
そんななか、今年も母校の少年野球クラブからプライベート新聞(マイしんぶん)づくりの依頼をいただき、休日の練習や大会の場にお邪魔している。かれこれ15年ほど続いており、クリクリ坊主の選手たちが自分より大きくなり、なかには甲子園や大学の明治神宮大会に出場した選手もいる。
その野球と同じ日、ラッパプロジェクトという金管楽器の体験会を取材した。少子化と指導者の減少などから、い日高地方でクラブのある小学校がなくなったいま、子どもたちに音楽の楽しさを知ってもらおうと、経験者のお母さんらが企画した。
会場となった母校の体育館は昔と変わらないが、自分が大きくなったせいか、「こんなに狭かったっけ?」と思うほど小さく感じた。四十数年前、ステージで同級生の女子が演奏しているのを見ながら、いまではそれが誰だったか忘れてしまったが、金属の楽器がやたらピカピカまぶしかったのを思い出した。
体験会に参加した子どもたちはみんな楽しそう。頑張って音が出た瞬間、「やった!」と笑顔になり、なかには「ドレミを吹けるようになったよ」という子もいて、あらためて知識より実践、経験が人を成長させると感じた。
地域の大会やイベントに足を運び、気がつけば芸歴は30年を超えた。スポーツも音楽も、日々の記事やマイしんぶんが少しでも子どもたちの励み、成長の力になってくれればと願いつつ、髪の毛はもうじたばたすまい。 (静)