角鹿さんの俳句を通じて北方領土問題に関心と理解を深める生徒ら

 御坊市の御坊中学校(小谷剛史校長)で21日、北方領土学習が行われ、3年1組の21人が北方領土問題について学びを深めた。

 北方領土返還要求運動和歌山県民会議と県北方領土問題教育者会議は県内の中学生を返還要求運動の原点の地である北海道根室市に派遣する現地研修を毎年実施。今年度は日高地方から御坊中学校が選ばれ、8月に3年生10人が参加。現地研修をふまえ、生徒を引率した松山章仁教諭が北方領土学習を行った。

 生徒たちは研修生を含む4グループに分かれ、学習に取り組んだ。歯舞群島の一つである勇留島(ゆりとう)で暮らしていた角鹿金太郎さんが残した俳句を通して、角鹿さんの当時の記憶に触れるとともに、生徒たちは北方領土の占拠により住居や思い出の地に帰郷できない状況を自身に重ねて考えた。北方領土返還のために自分たちができることを詠んだ「話し合い罪なき人の想いくみ武力使わず解決すべき」「悪くないそこでうまれた人たちはだからみんなで生きていこう」など生徒たちの思いが詰まった短歌が発表された。

 現地研修に参加した研修生のレポートや現地で撮影された写真なども共有し、関心と理解を深めた。