感謝状を手に成田さんと阪口消防長(前列右)ら

 印南町印南の建物火災で迅速、適切な行動で人の命を救ったとして、日高広域消防本部は21日、現場近くの実家に帰省中だったトラック運転手、成田憲司さん(54)=紀の川市=に人命救助功労で感謝状を贈った。

 同消防によると、10月10日午前5時15分ごろ、印南の宿泊施設「MARINE―Q」で火災が発生。現場道向かいの実家に帰省していた成田さんは「パチパチ」という音に気づき、黒い煙が出ているのを見て通報するとともに、助けを求める声に気づき、施設2階の窓に人が見えたため、倉庫の脚立を持って駆け付け、窓の下の屋根に立てかけて中国国籍の29歳男性をけがなく助け出した。

 本署で阪口悟消防長が感謝状を贈呈。「一刻を争う状況でなすべきことを判断し、実際に行動することは、なかなかできません。時間との闘いのなか死傷者の発生を未然に防いだ見事な活躍でした」とたたえた。

 月3回ぐらい帰省するという成田さん。「自分しかないと思って必死で走りました」と振り返り、「男の人はホッとした顔をしていました」と笑顔を見せた。