巡業で御坊を訪れた3人の横綱(左から北の富士、琴櫻、輪島)と主催者ら

 今月12日に亡くなったNHKの大相撲解説者北の富士勝昭さんは、50年以上前、横綱時代の地方巡業で御坊市を訪れていた。

 勧進元(主催者)は地元の建設業団体。1973年(昭和48)か74年(同49)ごろ、まだ新しい市立体育館に土俵を設え、第52代北の富士、第53代琴櫻(現大関琴櫻の祖父)、第54代輪島の3横綱が土俵入りなどを披露し、多くの幕内力士の取組が日高地方の相撲ファンを楽しませた。

 写真は化粧まわしをつけた3人の横綱と勧進元の関係者の記念写真。当時、市立体育館で切符のもぎりを担当した谷口組専務取締役の谷口文英さん(75)によると、土俵は相撲協会の方の指導を受けて、地元の建設業者が頑張ってつくった。勧進元の中心となった建設業者宅は横綱の宿泊先にもなり、谷口さんは「横綱を家に泊めた知り合いの社長さんは、布団を横綱のために新しく買い、ご祝儀も弾んで相当お金がかかったと笑っていました」と話している。