近年、ワーケーションやサテライトオフィスでIT企業などが地方で仕事をするスタイルが増えており、その場所として和歌山も注目されている。首都圏とのアクセスのよさや大阪や県内に空港という空の玄関口があること、そして世界に誇る豊富な自然や文化資源があることも魅力となっている。それだけ仕事に適した環境があるということだが、灯台下暗しで、地元で生まれ、育った人からすればその魅力に気付きにくい。昔に比べ地元で働きたいという若者が増えたように感じるが、やはり都会への憧れが根強くあり、人口流出に歯止めがかからない。
地方でも可能な仕事は何もIT関係に限ったことではない。先日、御坊市のCOCOLOHAIR(ココロヘアー)のオーナースタイリスト・小池直史さんが、スタイリストの腕を競う全国規模のコンテストで、グランプリに輝いた。十数年前から応募して過去2度ファイナリストに選ばれたが、惜しくもグランプリを逃しており、念願の日本一を手にした。以前、ファイナリストに選ばれた時にも取材をさせていただいたが、その時に小池さんが「御坊に住んでいてもすごい仕事ができるんだということを証明したい」と話していたのが印象的。今回、有言実行で自身の腕とセンスが全国に通用することを証明、素晴らしい美容師が御坊にいることは地域住民にとって大きな誇りであり、さらなる活躍を願う。
筆者のおい2人も東京で美容師の仕事をしている。若いうちに都会で腕やセンスを磨き、人生経験を積むのも大切なことだと思う。将来的には御坊に帰ってきて、地元から全国、そして世界へその技術を発信してくれるよう、期待したい。(吉)