先日、全国で2番目に多い鈴木姓の発祥地とされる海南市で、全国の鈴木さんが集う「鈴木サミット」という催しがあり、新聞やテレビで拝見した。11年ぶりの開催。前回、当時わかやま新報に派遣中で取材し、知り合いの「鈴木さん」にPRした記憶がある。
懐かしく、当時の記事とともに振り返ってみると、鈴木姓は平安時代末期、紀伊半島南部の熊野地方から海南市の藤白神社近くに移り住んだ「藤白鈴木氏」がルーツ。藤白鈴木氏が全国に熊野信仰や稲作を広める中で各地に住み着いたり、信仰する人が鈴木を名乗ったりして広がったと伝わっており、現在は全国に176万人いるという。
藤白鈴木氏が代々住んでいたのが藤白神社の敷地内にある鈴木屋敷で、当主が途絶えてから空き家となり、前回2013年のサミットは、荒廃していた鈴木屋敷の復元を目指そうと開催。自動車メーカー・スズキの鈴木修会長による講演を聞いた。その後、商工会議所や藤白神社の関係者らが寄付集めに取り組み、昨年3月に復元。途絶えていたサミットだったが、復元がきっかけになり、再び企画された。
今回は〝ライバル〟の佐藤姓発祥の地という栃木県佐野市の「佐藤の会」のメンバーらを招いた討論会も催され、今後の観光振興策を協議。ちなみに鈴木姓は、最多の佐藤姓(約181万人)に次いで、人口の1・4%を占めているという。
著名人の家族の歴史をひもとき、本人も知らなかったルーツ、感動のドラマを伝えるテレビ番組がある。発祥とまでいかないが筆者の姓は「地元の城主に仕えた重臣の一人にいる」と父親から教わった。自身のルーツをたどってみるのも面白いと思う。(笑)